雰囲気とは、ワーク(製品)を直接加熱せず、充填したガスを加熱することで熱処理を行う際、
炉に入れるガスのことです。媒体となるガスは、大気、不活性ガス、水素(還元雰囲気)などがあり、
ワークの性質や熱処理目的によって選択します。


雰囲気ガスとは??

「炉」の中に入れるガスのことです。

ガスの入れ方にもポイントがあります。
 何のガスを入れるか?
 どこからガスを入れるのか?
 どれだけの量を入れるのか?
 どのように流すのか?

なぜガスを入れるの??

製品を保護するためにガスを入れます。
 −酸化を防ぐ
  物を空気中で加熱すると空気中の酸素と反応して酸化してしまいます。酸化は製品に対して悪い影響を与えます。
   (外観、特性)
 −脱炭を防ぐ
  鉄に炭素を加えると鋼になって優れた特性を示しますが、この鋼の中の炭素が表面から抜けてしまい、
   ただの鉄に戻ってしまいます。このことを脱炭といいます。

製品を改善するためにガスを入れます。
 −浸炭させる
  先ほどの鋼の脱炭の逆で表面から炭素を入れることを浸炭といいます。これにより製品表面の特性を改善します。
 −窒化させる
  鋼等の金属に表面から窒素を浸透させていく事を窒化といいます。表面の特性を改善します。

雰囲気ガスの種類は??

よく使用される雰囲気ガスの種類
 −発熱型変成ガス
  DXガス
 −吸熱型変成ガス
  RXガス
 −不活性ガス
  窒素ガス、アルゴンガス
 −水素ガス
  水素ガス
 −アンモニア分解ガス(AXガス)
  アンモニアを分解した窒素と水素の混合ガス
 −メタノール分解ガス
  メタノールを分解したガス

発熱型変成ガス

DXガスと呼ばれています。
プロパン、ブタン等のガスから作られます。

吸熱型変成ガス

RXガスと呼ばれています。
プロパン、ブタン等のガスから作られます。

変成ガスの特徴

発熱型、吸熱型共に原料とするガスの種類が様々あります。
基本的にCO、CO2、H2、H2O、N2の混合ガスで燃えるガスです。
混合比(原料ガスと空気の比率)によって出来るガスの成分比率が変わります
混合比、温度によってですが、鉄、鋼、銅などの金属に対し還元性を示します。

不活性ガス

窒素やアルゴンガスのことを指します。
「不活性」の名のとおり製品に対し反応を起こしません。
 (窒素では窒化が起こる金属もありますが一般的には窒素は不活性ガスと言われます。)
製品に対し酸化も還元も起こしません。
 (厳密には、市販の不活性ガス中には極僅かな酸素が混じっている為少し酸化します。)
窒素は空気より軽く、アルゴンは空気より重いガスです。  

水素ガス

そのままの水素のことです。
多くの金属に対して還元性を示します。
 −例えばの場合
  FeO+H2→Fe+H2o
取り扱いを間違えると爆発します。
空気よりとても軽いガスです。  

各種分解変成ガス

AXガス
 −アンモニアを専用の変成炉にて熱分解すると得られます。
  変成されたガス成分は水素と窒素です。
  水素を含んでいるので可燃性があり爆発性もあります。
  水素を多量に使用する場合はポンベを大量に並べる必要が無くなります。
  鉄系焼結、ろう付などに使用されます。

メタノール分解変成ガス
 −メタノールを専用の変成炉にて熱分解変成したガスです。
  変成されたガス成分は主にCOと水素です。
  浸炭性のあるガスなので、軸受鋼等の浸炭に使用されます。

当社取締役 技術開発室長 神田輝一の著書

雰囲気熱処理の基礎と応用
単行本‒2014/5/27
神田 輝一 (著)
単行本   :200ページ
出版社   :日刊工業新聞社 (2014/5/27)
言語    :日本語
ISBN-10  :4526072591
ISBN-13  :978-4526072598
発売日   :2014/5/27
  • ●エリンガム図
  • ●「見える化パネル」Visualization of atmosphereのご紹介
    従来,連続炉の運転管理には,熟練の作業専任者が必要とされていました。
    特に生産開始時には,炉内雰囲気のパージ状況,温度,各種機器の異常有無の情報を専任者が的確に判断する必要があります。これまで熟練者の判断に頼っていた雰囲気の情報を「見える化」することで、雰囲気の状態を,より見やすく,わかりやすく表示することができます。例えば海外の生産拠点にて不慣れなオペレーターでも安定した運転管理が可能です。

    搭載推奨設備 : オキシノン®炉全般
       
技術紹介